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未来教室 第2回 未来を切り拓く力 ~国際コーディネーター 未来(miki)さん~2022.06.24 Update

未来教室 第2回 未来を切り拓く力 ~国際コーディネーター 未来(miki)さん~

ゲストスピーカー

~国際コーディネーター 未来(miki)さん~

内容

2022年6月24日に、3期アスエコ未来教室第2回が開催しました。
第2回の未来講師は、国際コーディネーターの未来(miki)さんです。
 

アスエコ未来教室とは?

アスエコ未来教室とは、公益財団法人岡山県環境保全事業団の環境学習センター「アスエコ」が行なう、中学生向けの6か月間の教室です。
各回ごとにゲスト講師を招き、講師の方が取り組んでいる活動や、その中で感じること、考えたことについての話を聞きます。

詳しくは、以下のサイトをご覧ください。

アスエコ未来教室|公式ページ  中学生向けSDGs学習公益財団法人岡山県環境保全事業団環境学習センター「アスエコ」が運営する中学生向けのSDGs学習教室です。登録制のため、学校www.kankyo.or.jp
 
活動の内容

今回のプログラムは、以下の通りです。

1.チェックイン
2.ゲストトーク
3.アウトプットセッション
4.チェックアウト

 
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約1か月ぶりに顔を合わせ、中学生はまだ少し緊張しているようすでした。
チェックインでは、アイスブレイクとして名前リレーを行ないました。
みんなで輪になって自己紹介をするうちに、だんだんと緊張がほぐれていくようです。

その後説明された第2回の目標は、以下の3つです。

・社会と自分とのつながりを考える
・幸せとは何かを考える
・自分自身がどのように生きていきたいかを考える

この目標を踏まえて、ゲストトークを聞くことになります。

また、「未来教室の五か条」や未来教室のねらい、過ごし方について復習しました。
 

ゲストトーク
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第2回の未来講師は、国際コーディネーターの未来(miki)さんです。
自分のこれまでの人生を振り返りながら、「未来と自分を切り拓く力」について話してくれました。
 

未来さんについて
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未来さんが中学生の頃、岡山市友好親善大使として海外に行ってみないかというお知らせを学校で見たそうです。
岡山市には友好姉妹都市がたくさんあります。
このときは、市がお金を出して、友好親善大使として中学生を海外へ連れて行ってくれると知った未来さん。
親からの「なかなか行けるところじゃないし、行ってみたらいいんじゃない?」という言葉もあり、行くことにしました。
友好親善大使として、中国で2週間のホームステイを経験し、日本との文化の違いに驚いたと話します。
しかし、言葉が違っても人と仲良くなれることや、ジェスチャーだけでも意思疎通ができるのだということにも気づいたのです。

高校1年生のときには、AMDA高校生会のボランティアでタイとカンボジアへ行きました。
募金活動をして、学校を建て直すという活動に参加したそうです。
地雷注意の看板が立っているところであるにもかかわらず、子どもたちがみんないきいきしているのを見た未来さんは、このように感じたそうです。
生きるって、こんなにエネルギーに満ち溢れているものなんだ!
困っている人を助けるつもりで行ったけれど、自分が元気づけられた、と未来さんは話します。

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そして、困っている人を助けるにはどうしたらいいか、と考えた未来さんは海外の大学に進学し、国際協力について学びました。
イギリスの大学院に行くことも決まっていたけれど、「世の中のこともよく知らないのに私に何ができるんだろうか」と思い、大学院には行かずに日本に帰ってきます。
未来さんは多文化共生の団体を立ち上げて、3年間、さまざまな立場にいる人と交流できる場所を作ろうと活動しました。
その活動の中で岡山ユニセフ協会の事務局長と出会い、ユニセフの活動にも参加することになりました。
ユニセフは、小さい子どもとその母親の命や生活を守るための国連の組織です。
しかし、世の中にいる人は小さい子どもとその母親だけではありません。
そこで未来さんはJICAデスクへ転職し、全世代のいろんな人と関われる仕事をすることにしました。

幸せとは何か」。
これは、未来さんが大学時代に恩師の最初の授業で聞かれ、10年以上問い続けていることです。
また、さらにいろんな問いを出すこともできます。
考え続けても答えが出ないもどかしさはあります。
ですが、幸せとは何かを問い続けることは、世の中を変える一つのキーワードになるのだと教えてくれました。
 

グループワーク
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グループワークとして、魚取りゲームを行ないました。
このゲームは、いくつかの村(チーム)に分かれて、10年間で一番多く魚をとった村が勝ち、ただし10年間の間に魚がいなくなったらすべての村が負け、というルールです。
自分の村の人が生きていくために必要な魚に加えて、発展していくために必要な魚もとることが必要とされます。
自分のことを第一に考えるか、周りのことも考えた選択をするかで、ゲームの勝敗が分かれるのです。

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中学生一人一人が何を考え、どのような視点からゲームを進めていこうとしているのかが、とてもよくわかる時間でした。
まずは細かく計算をする人、村のメンバーとと話し合う人、周りの村の様子を観察する人など、さまざまです。

このゲームを通して、世界で起きている問題や、それに対してどのように考えたらよいかについて、考えることができます。
2022年現在、世界ではルールや制度が決まらないままに、さまざまな問題が起きています。
未来さんのお話では、スマホと鉱物、ファッションと環境破壊の問題について教えてくれました。

自分たちの生活を充たしてくれるものが増えるのと同時に、無駄も増えています。
私たちは地球にある資源を使って暮らしを成り立たせていますが、利益の追求や経済発展など、自分たちの暮らしだけを考えた結果、良くないことが起こっているのです。

幸せとは何か、という問いについて、「私たち」という主語で考えることが大切だ、と未来さんは話します。
では、私たち、とはだれのことなのでしょうか。
「私たち」が指す人について、未来さんはこのように話してくれました。

地球は親から与えられたものではない。
祖先からの授かり物でもない。
子どもたちから借りているものだ。

(ネイティブアメリカンに伝わる言葉)

自分たちだけではなく、その先を生きていく人も「私たち」には含まれるのです。
そして、現代を生きていく私たちには環境を守っていき、どうすべきか考える責任があります。
 

「自分の人生を生きる」
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未来さんは、自身の人生を振り返りながら、「自分の人生を生きる」ことが大切だと教えてくれました。
「こうじゃなきゃいけない」という枠の中に自分を閉じ込めてしまって、自分の本当の思いが分からなくなってしまったことで、生きていくのが辛くなったこともある、と未来さん。
しかし、弱い自分と戦って、自分がどう生きたいかを考えると、自然とうまくいくようになったそうです。
自分が自分に向き合っていなかった、と未来さんは話していました。

すべての選択は、自分自身が行なっているものです。
しかし、自分が苦しいと思うのを他者のせいにしてしまうと、本当に自分の人生を生きていることにはなりません。
うまくいかないことでも、自分がどうするかを自分で決めていれば、納得もいくし、周りの人のせいにもしなくなります。

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素直な気持ちが出てくるまで、自分と向き合うことが大切です。
自分自身は、自分の味方であることを自覚し、その上で、どう生きたいか、誰にどんな影響を与えたいかを考えるのです。
人生にはいろんなことがあるけれど、わくわくする生き方は自分で選んで考えることができます。

アメリカの先住民族であるネイティブアメリカンには、「知識は過去。知恵は未来だ。」という言葉があると未来さんが教えてくれました。
答えの無い未来を切り開いて生きるために考えるための、知恵や、想像する力なのです。
自分が存在していることも、未来教室で中学生たちに出会えたことも、きっと何かの意味があり、この出来事も、点を線にして、面にしていくための機会になっているはずだ、と未来さんは最後に話してくれました。
 

アウトプットセッション

アウトプットセッションでは、未来さんのお話に対しての感想と、未来さんに聞いてみたいことについて考えました。
中学生が未来さんに質問していた内容の一部を、共有します。

Q.どんな仕事をしているのか。
A.「国際コーディネーター」は自分でつけた名前。システムを作る会社に所属しながら、講演会に出たり、授業をしたり、いろんな国に行った経験を教材にしてワークショップをしたりしている。中小企業と高校生を繋いで一緒に活動もしている。
また、世界で活躍する日本の人に取材して記事を書いている。

Q.新しい答えを見つけるためには自由な発想が必要だと思うが、どうしたらできるのか。
A.自分が好きなことをすると、一生懸命考えると思う。
自分が経験したからこそ次のアイデアが出てくる。次はこうしたいと思うことに対して情報収集することも発想のひとつ。それを意識して考えているかどうかが大切。

Q.英語の勉強法を教えてほしい。
A.まずは耳で聞いて覚える。発音できない言葉は喋れないから、しっかり聞くことが必要。
言っていることを大袈裟に真似して、間違っていても英語をしっかり使うことで、できるようになっていく。音読がおすすめ。

未来さんの話に対する直接的な質問だけではなく、中学生なら誰もが気になるであろう英語の勉強法についての質問があり、同じ話を聞いても一人一人考えることは違うのだと改めて感じました。

また、中学生が書いた「お話を聞いて考えたこと」の一部についても、以下で紹介します。

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このアウトプットセッションでは、お互いに刺激を受ける中学生の姿がありました。
漢字からイメージを膨らませる同じグループのメンバーを見て、自分なりにアイデアをスケッチブックに書いていく中学生がいたのが印象に残っています。
未来さんの言葉を受け取り、どのようなアウトプットをするかはその人次第です。
互いに認め合い、良いところは見習っていくという中学生の姿勢は、「未来教室の五か条」で示された理想的な態度そのものだったのではないかと思います。
 

さいごに

参加していた中学生はみんな、第1回よりも、さらに前のめりに講師の言葉をしっかりと聞いているようでした。
これは、心の変化を楽しみながら学んでいく、未来教室だからこそ見られる姿ではないでしょうか。
少しずつ変わっていく中学生の姿を見るのが、また楽しみになりました。

第3回未来教室は、8月19日(金)に開催予定です。
次回は講師と中学生の間でどのような化学反応が起こるのか、とても楽しみです。